三陸AIR/AIR

2025年5月-2026年3月

宮古市・三陸地域に滞在し、劇場を拠点としたアーティストの製作支援を目的としたアーティスト・イン・レジデンス事業です。
現代のアーティストと地域の出会いの場作りとしてワークショップやアウトリーチ、滞在の成果発表を実施するほか、宮古・三陸地域固有の文化体験や「学ぶ防災」などのアクティビティを提供し、地域とアーティストの文化的な善循環を目指します。

2025年度レジデンス・アーティスト

宮古市や下閉伊地域の生活、歴史、文化等をリサーチするほか、地域交流プログラムとして学校をはじめとしたアウトリーチやワークショップを行い、滞在成果発表を行います。



田村 興一郎

新潟出身。振付作家・ダンスアーティスト・DANCE PJ REVO 主宰。横浜を拠点に振付作品を制作・上演をして活動中。アフリカ、ロンドンから招へい上演歴を持つ。横浜ダンスコレクションにて最優秀新人賞、在日フランス大使館賞など、多数受賞。セゾンフェローI。もの(object)と身体を組み合わせて表現に変換することでマテリアルとの対話を行い、社会と芸術を繋ぎ合わせて多様な価値観を創出している。12kg のコンクリートブロックで日本の労働環境へ斬り込んだ振付作品『F/ BRIDGE』や、ダンボールを 100 個使って被災地の復興を祈った作品『STUMP PUMP』、ビニール素材を使って東日本大震災の魂を表現した『窪地』などがある。若手育成のワークショップの企画運営や、福祉(障害)や保育の現場にも携わり、その派生からアウトリーチ事業を積極的に行うなど、幅広く活動を展開している。近年では”日本の祭り文化”をアートへ翻訳して、新たな表現の開拓を目指している。


小野と松岡

「小野と松岡」は小野晃太朗と松岡大貴のセット。
小野は福島生まれ、宮城育ち。2020年『ねー』で第19回AAF戯曲賞大賞を受賞。2025年『ひとえに』にて第69回岸田國士戯曲賞最終候補。戯曲の多声性を用いて現在の物語を編み上げ「生存術としての劇作」を試行する。
松岡は東京生まれ、埼玉育ち。豊岡演劇祭プロデューサー/コーディネーター。公立文化施設の事業担当、2020年「豊岡演劇祭」の立ち上げに参加。2022年よりプロデューサー。小野作品の共同創作者。プロデューサー、ドラマトゥルクを経て、『ひとえに』ではいっしょに考える人となる。
小野と松岡では、鑑賞者・観客の戯曲体験への接続を目的とした、上演・ライブパフォーマンス・音声作品などの制作を行う。


小菅紘史|Hiroshi Kosuge

1981年生まれ。東京出身。舞台俳優。大学から演劇活動をはじめる。2008年より第七劇場に所属。これまで海外5カ国11都市、国内25都市で上演。2014年、三重県津市の里山に劇場をつくり、そこに活動拠点を移す。地元での草刈りや山登りなどを通して、余白のある身体づくりを具体化できるような技術を模索している古武術や介護などの身体操法を取り入れた演劇のワークショップも行なっている。名古屋芸術大学非常勤講師。

中川裕貴|Yuki Nakagawa
1986年生まれ、三重/京都在住の音楽家。チェロを独学で学び、そこから独自の作曲、演奏活動を行う。人間の「声」にもっと近いとも言われる「チェロ」という楽器を使用し、同時にチェロを打楽器のように使用する特殊奏法や自作の弓を使用した演奏を行う。音楽以外の表現形式との交流も長く、様々な団体やアーティストへの音楽提供や共同パフォーマンスも継続して行っている。また2022年からは日野浩志郎とのDUOプロジェクト「KAKUHAN」がスタートしている。

これまでに滞在経験のあるアーティストが再び宮古市に滞在し、学校鑑賞公演や一般鑑賞公演を行います。



リュウカツチュウ

沖縄にいなくても、伝統に触れる場所をつくりたい。そんな想いから芸術文化活動が制限された202010 月感染症流行(コロナ)の真っ只中より、活動を開始。沖縄県内外で三線、琉球舞踊、琉球箏はじめ伝統 芸能の舞台活動に取り組むメンバーで「 海だけじゃない首里城だけじゃない、沖縄の宝もの。消えてなく なりそうだった、カタチのない宝もの 」をコンセプトに伝統芸能をはぐくむ私たちの目線から沖縄を発信、 伝統芸能の実演活動に取り組みます。


野木 青依

マリンバ奏者/アーティスト
11歳からマリンバ演奏を始める。桐朋学園大学音楽学部卒業後、2018年8月メルボルンにて第5回全豪マリンバコンクール第3位と新曲課題における最優秀演奏賞受賞。マリンバと街を歩く「マリンバ・ネリネリ」シリーズ、お店や個人宅にマリンバと滞在する「マリンバさんのお引越し」、服を楽譜として読み解く「ファッションを演奏する」、さんぽチームとして「すみだのかたち」等を発表。きくために演奏し、音にきいてもらえるよう演奏する。

公演をメインとしないショートレジデンス。地域交流プログラムのほかリサーチをメインに市内の歴史や文化を巡ります。



川北 輝

1998年生まれ、メディアアーティスト。2025年4月より京都芸術大学 専任講師。映像技術をはじめ、3DCGやAIなどのテクノロジーを活用し、心や感性、地域をテーマに作品制作を行う。北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術専攻 創造社会デザイン研究領域 修了。修士 (知識科学)、臨床心理修士 (専門職)、公認心理師、VR技術者。25歳で助教になり、研究者としても活躍。専門は感性工学、HCI、情報デザイン。「第3回 デジタルとくしま大賞『ロボット・DX推進賞 (港産業)』および『大賞 (徳島県知事)』」、「2023年度笹川科学研究奨励賞 (日本科学協会, 日本財団)」など、芸術や研究関連の受賞は20を超える。主な個展に「川北輝のメディアアート展 in MIYAKO」がある。メディアアートや情報デザインのセミナー累計受講生は1000名を超える。メンタルヘルスの観点からSDGsの『すべての人に健康と福祉を』、『質の高い教育をみんなに』に取り組む。著書に「てるぽんとSDGsをめぐる旅」がある。


山本卓卓
(やまもと・すぐる)
作家・演出家・俳優。範宙遊泳代表。日中当代表演交流会メンバー。山梨県生まれ。幼少期から吸収した映画・文学・音楽・美術などを芸術的素養に、加速度的に倫理観が変貌する現代情報社会をビビッドに反映した劇世界を構築する。オンラインをも創作の場とする「むこう側の演劇」や、子どもと一緒に楽しめる「シリーズ おとなもこどもも」、青少年や福祉施設に向けたワークショップ事業など、幅広いレパートリーを持つ。アジア諸国や北米で公演や国際共同制作、戯曲提供なども行い、活動の場を海外にも広げている。ACC2018グランティアーティストとして、19年9月〜20年2月にニューヨーク留学。『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。『バナナの花は食べられる』で第66回岸田國士戯曲賞を受賞。

坂本もも(さかもと・もも)
範宙遊泳プロデューサー・合同会社範宙遊泳代表・ロロ制作。日中当代表演交流会メンバー。東京都生まれ。学生劇団から商業演劇まで幅広く制作助手や演出部などを経験したのち、2009年よりロロ、2011年より範宙遊泳に加入。特定非営利活動法人舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)理事。一般社団法人緊急事態舞台芸術ネットワーク(JPASN)理事。多摩美術大学 演劇舞踊デザイン学科非常勤講師。ここちよい稽古場の探求や、育児と演劇活動の両立など、創造環境整備に興味関心を持ち活動している。

芸術家派遣事業

宮古市民文化会館では、芸術家を幼稚園や学校、福祉施設などに派遣し、地域住民と子どもたちに多様な芸術体験を提供するアウトリーチ活動を展開しています。授業や地域における部活動のサポートをはじめ、これからの若者の育成を支援する取り組みも行います。

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