新型コロナに負けない文化芸術活動を

2020年4月10日

新型コロナウイルスが猛威を振るっています。

岩手県は今のところ感染者ゼロを保っていますが、感染ルート不明の感染者が増加している状況をみますと、いつ、岩手で感染者が見つかってもおかしくありません。
岩手県でも宮古市でも感染リスクを軽減するため、三つの密(密集、密閉、密接)を防ぐとともに、緊急事態宣言該当地域への出張や旅行自粛要請などの対策が打ち出されています。

宮古市民文化会館でも、こうした方針にのっとり、アルコール消毒液の設置や、中ホールなどの観客制限など可能な限りの対策を実施していますが、多くの主催・共催事業の中止や延期を余儀なくされるとともに、一般利用のキャンセルも相次いでいます。

これは、文化芸術活動のピンチです。

震災後の文化会館再開館以降、私たちは文化芸術活動を核とした新しいコミュニティの形成や、地域の文化風土の掘り起こしや次世代の人材育成を目指し、多くの事業を市民の皆様と一緒になって積極的に展開してまいりました。その成果が認められ、2019年度の地域創造大賞(総務大臣賞)をいただきました。
この成果を本年度、さらに活かして文化会館が市民の皆さんの「文化の広場」になるよう育てようとしていた矢先の新型コロナ問題です。

多くの文化芸術活動は、仲間で作り上げるものです。指導者のもとに集る仲間、自主的に集まる仲間、学校の仲間、会館等の公募によって集まる仲間。
その仲間の集まりや練習が制限を受けざるを得ない状況です。
「広場」は古来より集落の憩いの場であり、祈りの場であり、交流の場でした。
現代においてその役割を担っているのが文化会館や公民館です。
新型コロナによって、その広場の機能が失われようとしています。
コミュニティの危機でもあります。

でも諦めてはいけません。
第二回みやこ市民劇の主人公千代菊のラストの台詞を覚えていますか?
「あたしはね、ずーと信じていたよ。どんな人間にも、いつか夜明けがくるってさ」
そうです。明けない夜はないんです。あの辛い震災を経験し、新しい時代を文化芸術の力で乗り越えようとしてきた私たちです。
工夫しましょう。活動の可能性を探しましょう。
文化会館はそのための最大限の努力を惜しみません。
そして、文化芸術による私たちのコミュニティを信じましょう。

 

 

宮古市民文化会館指定管理者
   特定非営利活動法人いわてアートサポートセンター
      理事長  坂 田 裕 一