IWATE AIR/AIR 山田カイル・木村玲奈
夜明けの国のコッコ・ドゥードゥル・ドゥー

2023年1月15日(日)

かつて平安の頃、都から流刑された一人の皇子が、宮古に暮らしていたと言います。皇子はこの地に馴染むことはなく、自らの悲運を嘆いて海に身を投げて命を落とします。その亡骸を見つけたのは、皇子が可愛がっていた鶏でした。皇子の墓はその後黒森神社となり、亡骸の見つかった土地を磯鶏と呼ぶようになったそうです。

多分、全部嘘です。
そんな時代に都から三陸まで人が(ましてや貴族が)越してきたとは考え辛いし、僕らがこれまで会った、宮古に移住してきた人たちは、皆この地が大好きで、馴染めずに死んだというのは説得力に欠けます。しかし、そんな王子様の人生を夢想してみる。彼はきっと寂しさを埋めるため、土地の人を集め、歌会を催したのではないかと思うのです。平安人にとって歌会というのは、要はカラオケです。

そこで私たちも、宮古市民文化会館の大舞台を借りて、カラオケパーティーを開こうと思います。歌をうたいに来てください。あるいは、歌うひとを見に来てください。

公演概要

出演 山田カイル(演出家)
木村玲奈(振付家/ダンサー)
日時 2023年1月15日(日)13:00開演(30分前開場・受付)
会場 大ホール
入場料

「歌うたうチケット」    500円
「見るだけチケット」 1,000円

*「歌うたうチケット」及び「見るだけチケット」について
上演時間の間、舞台上では常に誰かがカラオケで歌っている状況を作ります。
歌っていただける方には「歌うたうチケット」として500円で鑑賞、歌わずに観たい方には「見るだけチケット」として1000円でご鑑賞いただけます。

プレイガイド ・宮古市民文化会館(月曜休館)
・WEB予約:https://forms.gle/6GuZwgHD2aECNrNp6
お問い合わせ 宮古市民文化会館
TEL:0193-63-2511 
チラシ PDF(/)

主催:公益社団法人日本芸能実演家団体協議会、アーツライブいわて実行委員会、特定非営利活動法人いわてアートサポートセンター
制作:宮古市民文化会館

 

ワークショップ

タイトル 「夜明けの国のコッコ・ドゥードゥル・ドゥー」お手紙ワークショップ&映像ワークショップ
内容 今回の滞在で創作する「夜明けの国のコッコ・ドゥードゥル・ドゥー」は、流刑の身となった人々の暮らしと営為をモチーフにした、参加型の舞台作品です。
今回のワークショップでは演劇的な視点から、歴史上の流刑者の立場を想像し、元いた場所に残した家族や友人に送る手紙を執筆したり、訪れた場所の映像記録を撮影するといったワークショップを行います。
参加者の皆さんが執筆した手紙、撮影した映像は1月15日に行われる公演の作中で使用いたします。
日時

お手紙ワークショップ 2023年1月7日(土)13:00~14:00
           2023年1月8日(日)15:00~16:00

映像ワークショップ  2023年1月7日(土)15:00~16:00
           2023年1月8日(日)13:00~14:00

※映像ワークショップでは参加者ご自身のスマートフォンを用いて映像作成を行い予定です。参加者1名、もしくはご家族での参加の場合は1家族につき1台映像撮影に使用できるスマートフォンをご持参ください。

会場 みやっこハウス(宮古市末広町8-24)
参加費 いずれも無料
応募資格 なし(小学校低学年以下は家族同伴。家族での参加歓迎)
定員 各回10名まで
お申込み ・宮古市民文化会館(月曜休館)
・WEB予約:https://forms.gle/bb9vEii7CAYTeZcE6
お問い合わせ 宮古市民文化会館
TEL:0193-63-2511 

 

【IWATE AIR/AIR】アーティスト・イン・レジデンス

アーティスト・イン・レジデンスとは、芸術家が一定期間ある地域に滞在し、普段とは異なる環境で作品を作ったり、その土地のリサーチを行うものです。
【IWATE AIR/AIR】では岩手県内の生活・文化・風土に触れながら、作品制作やアーティスト自身の充電として滞在するプロジェクトとして、様々な舞台芸術家をお招きし滞在いただいています。
今回の成果発表では、劇作家の山田カイルさんと振付家・ダンサーの木村玲奈さんが8月に滞在し、生活・体験していただいた「三陸・宮古」をお二人の視点と形で発表いただきます。

【8月6日】
宮古市田老地区…震災学習ツアーへの参加
黒森神社…是津親王伝説、義経北行伝説についてリサーチ

【8月7日】
ダンスと演劇づくりワークショップ「みんなで孤独になりに行く」

【8月8日】
浄土ヶ浜・浄土ヶ浜ビジターセンター…景勝地である浄土ヶ浜にて美しい自然景観と、豊かな資源、それに支えられた地域の産業と人々の暮らしをリサーチ

【8月9日】
横山八幡宮…宮古地名の由来、義経北行伝説をリサーチ
宮古市立図書館…黒森神社や宮古市の歴史、是津親王伝説についてリサーチ
市史編纂室…是津親王伝説や宮古に伝わる各種伝説についてリサーチ
地域おこし協力隊・宮古在住の若手世代へ宮古で暮らすことの魅力や課題についてのインタビュー


©︎Megumi Oku



山田カイル
演出家/翻訳家。抗原劇場代表。1993年テキサスに生まれ、その後青森で育つ。
近作に、翻訳する身体のディストーションをダンスと仮面劇に昇華した『後ほどの憑依(TransLater)』(2015/2020)、3カ国で活動する7人の作家のテクストを元に現代アメリカの闇を描く『NOT IN KANSAS』(2019)、ブラッドベリの小説に着想を得たアートプロジェクト『華氏同盟』(2021)など。また、戯曲誌「石版と織物」の創刊に携わる。



木村玲奈
振付家・ダンサー。青森市出身、東京在住。風土や言葉と身体の関係、人の在り方に興味をもち、国内外様々な土地で創作・上演を行う。’19 – ’20 セゾン・フェローⅠ。’20 – 東京郊外に「糸口」という小さな場・拠点を構え、土地や社会と緩やかに繋がりながら発表だけにとどまらない実験と交流の場を運営している。
https://reinakimura.com